一あるいはいかにして少年は難しい顔をするようになったか一
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限りなく透明に近いブルー
福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。

春樹は好きでも龍の方はいまいち好みに合わなかったんですが、やっぱり現代文学の核にあるのはW村上の存在だろうと、いまいちどデビュー作を読んでみました。『コインロッカー・ベイビーズ』のグロ描写があまりに強烈すぎたので、ちょっとどうかなあと懸念していましたが、まあやっぱりグロかったです。

でも龍のすごいところは、こういうヌルヌル感だったりドロドロ感だったりっていう、肉体性・暴力性を最初から確信犯で作品に描き続けているという点ですよね。24歳の若さでデビューして今に至るまでずっと第一線で活躍してこれたのは、この一貫した表現方法があったからだと思います。たぶん。

しかし不思議なことに、この作品はそういうグロさに満ちているのにも関わらず、きわめて清潔な印象を読者に与えます。主人公リュウの無関心さと受動性が暴力描写を間接的なものにしているし、妄想と現実の入り乱れ方が徹底している。さらに表紙のデザインとタイトル名も清潔さを助長しているのかも。切羽詰まってるんだけどどうしようもないこの感じ。意外と好きです。「僕に殺された蛾は僕の全体に気付くことなく死んでいったに違いない」という一文にやられました。こうしてみると暗い一文ですな。

グロさばっかり目立ちますが、詩的な感性は相当強いですよね、龍さん。文脈もすらすら流れていくし、たしかにこれは中毒的な文体なんだろうなと思います。実際に読んでみて、一概に好きじゃないと言い切れなくなったところが怖い。
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